巻頭特集 「第30回国家試験合格者発表」

合格率(前回比)
あマ指師横ばい はり師、きゅう師4%増 柔整師3%減。

第30回のあん摩マッサージ指圧師国家資格試験は、晴眼者は宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、鹿児島県の6会場、視覚障害者は47都道府県の48会場で2月26日に行われた。はり師、きゅう師の試験は翌27日に晴眼者は北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県の11会場、視覚障害者は47都道府県の48会場で行われた。
柔道整復師の試験は3月6日に北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県および沖縄県の10地区15会場でそれぞれ行われた。合格発表は三者同日の3月25日。
あはき師の国家試験会場は例年通りの会場数だったが、柔道整復師は今回も新型コロナ対策で会場の密を避けるため、昨年の会場数23よりも減少したものの15会場と例年より多い会場数だった。
柔道整復師の試験では2022年版国家試験出題基準が適用となり、出題基準が変更され過去問以外の新たな出題基準項目からの出題数が大幅に増える可能性があったため注目されていた。本誌では学校別合格率と専門学校関係者と記者による分析を掲載する。

あん摩マッサージ指圧(あマ指)師・はり師・きゅう師

あマ指師の受験に参加した専門学校・養成校は86校で、前回よりも1校減少し受験者数も17人少なかった。あマ指師の受験者数はこの9年間減少傾向にある。今回の受験者数は新卒の受験者と既卒の受験者の合計(総数)で1278人、合格者数1082人、合格率は84・7%と前回より0.6ポイントの微増。新卒者の合格率は94・7%、既卒者の合格率は19・9%だった。あマ指師は1992(平成4)年度の国家試験1回目から総数で80%以上の高合格率をキープしている。
はり師の受験参加校は154校(大学12校、専門学校・養成校142校)で前回よりも4校減少したが受験者数は129人増加し3982人となった。合格者数は2956人、合格率は74・2%と前回の合格率よりも4・2ポイント増加した。受験者数は3年前から減少傾向にあったが今回は若干増加した。
きゅう師の受験参加校は153校(大学12校、専門学校・養成校141校)で昨年から3校減少した。受験者数3892人、合格者数2963人、合格率76・1%と昨年よりも3・9ポイント増加した。前回比で受験者数は95人、合格者数は223人増加した。はり師、きゅう師とも合格率はこの2年間減少傾向にあったが、今回は両師とも約4ポイント増加した。

柔道整復師

柔道整復師の合格率は前回よりも3・1ポイントダウンした。受験者数は4359人、合格者数2740人、合格率は62・9%。受験に参加した学校は大学が16校、専門学校などの養成校は101校で、大学が1校、養成校が2校減少した。受験者数は昨年よりも202人減少。第24回の2016年以来6年連続で受験者数は減少し続け、6年前に比べると2763人減少している。合格者数も前回比271人減少で、6年前から比べると1843人の減少。
新卒者の合格率は81・0%で前回よりも4・6ポイント減少。既卒者の合格率は16・9%でこちらも前回よりも4・7ポイントのダウンだった。
大学と専門学校・養成校の合格率を比較して見ると大学の合格率は総数では70・2%、専門学校・養成校の合格率は61・4%。新卒者の合格率は大学が84・1%で専門学校・養成校は80・3%、既卒者の合格率は大学が22・5%、専門学校・養成校の合格率は16・1%で大学の合格率がすべてで高くなっている。
国試関係ではこの数年、あマ指師、柔整師とも受験者数に減少傾向が見られていた。しかし、今回の新卒者の受験者数で見ると前回比ではり師ときゅう師が若干増加した。あマ指師は若干の減少だが、柔整師は202人の減でこの5年間大幅な減少が続いている。
注目するのは大学の合格率だ。はり師・きゅう師の大学と養成校の合格率にほとんど違いがない。柔整師の大学と養成校の合格率では総数で8・8ポイント、新卒者3・8ポイント、既卒者6・4ポイントと大学が養成校の合格率をすべて上回っている。前回の試験の総数では大学の合格率は70・5%、養成校の合格率は65・1%と大学の合格率は5・4ポイント高かったが、新卒者の合格率で見ると大学は82・8%で養成校の合格率は86・3%と養成校の合格率が大学よりも前回の試験では高かった。養成校側はこの1年間で合格率が逆転した理由を探求していく必要がある。

※詳しくはひーりんぐマガジン75号巻頭特集をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!