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単発記事
徒手医学基礎講座 臨床上よくある疾患:高齢女性の痛み
荻窪腰痛リハビリスタジオ
水谷哲也 岩間絢子 桑島悠輔
前号の「圧迫骨折」はいかがでしたか?
陳旧性のものを含めると相当な数の患者さんに施術をしてきたと思います。臨床上、遭遇率の高い疾患は常に最新の論文やデータを頭に入れてアップデートしておきたいものです。今回のテーマは漠然としていますが高齢女性(閉経後)の痛みと運動の重要性というテーマでお話しさせていただきます。接骨院や治療院にとって高齢女性は客単価も高く、重要なターゲットであることは間違いないと思います。しかし高齢女性の慢性的な痛みのほとんどは骨密度の低下や筋肉量の低下などに起因し、運動療法が不可欠にもかかわらずマッサージが大好きで運動を敬遠しがちです。今号では患者教育に必要な知識、データを頭に入れ1人でも多くの人たちの健康寿命を延ばしていただいて、先生の臨床の幅が広がることを期待します。

1.更年期女性の運動習慣 2018(平成30)年の国民健康・栄養調査によると、男性に比べ女性は全ての年齢で運動習慣がある人が少ないという結果がでています。また女性で病気やケガを自覚している割合は3割を超えており、肩こり・腰痛が上位をしめています。
2.日本人女性の平均寿命と閉経年齢 2018年簡易生命表によると、日本人女性の平均寿命は右肩上がりで87.32歳に達し世界一の長寿になりました。しかし、 閉経年齢は平均寿命ほど伸びておらず、現代の日本人女性は閉経後に人生の3分の1を過ごすことになっています。
3.閉経と更年期障害の定義 閉経とは、卵巣の活動性が次第に消失し、月経が永久に停止した状態をいいます。月経が来ない状態が12カ月以上続いたときに1年を振り返り閉経としています。閉経前の5年と後の5年を合わせた10年を「更年期」といます。更年期に現れる症状により日常生活に支障をきたすさまざまな病態を「更年期障害」といいます。エストロゲンの低下と欠乏が主な原因といわれています。実際にはエストロゲンが大きく揺らぎながら低下し、加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています(図1)。 (図1)
4.推奨される運動 「更年期障害における適切な運動療法についての研究」(藤野哲平早稲田大学卒業論文、2007年度)での結論は、 【どの運動も強度は控えめで行い、毎日少しでも継続的に行うと効果的であるという点が共通している。また、更年期障害に効果的な運動はどれも時間や場所などを問わず、いつでもどこでも行えるという点がメリットとして挙げられている】 とあります。更年期障害に悩まされている女性は多汗やうつ、痛みなどをかかえ自宅に引きこもりがちになってしまうので治療院では来院してくださった患者とよく話し、自宅でできる簡単な運動や毎日少しずつでいいので運動する習慣の大切さを伝えられると良いと思います。また、信頼してくださった患者は元気になったとき必ず帰ってきてくれるので間違っても回数券などを売らないようにしてください。
  

※運動の種類など詳細は、ひーりんぐマガジン69号(秋号)をご覧ください。

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