開業の心構えから市場調査まで【前編】

● 開業イメージと時代の整合性
 これからの開業イメージを考える時、ご自分のイメージと時代の整合性とを考慮する必要があります。
昨今、特に都市部に於ける治療院の開業パターンを見てみると、明らかに旧来のものと異なる特徴が見受けられます。例えば、接骨院は本来 「骨つぎ」 をその主な業としていました。
しかし、 「骨つぎ」 のみでは市場の要求に応えられなくなり、鍼灸やマッサージを導入し、時代の変遷とともにカイロプラクティックや整体、テーピング、更にスポーツトレーナー、スポーツマッサージ等を自費治療の対象として導入し、患者の満足度を高め、市場ニーズを満たしてきました。

当時の時代背景としては、高度経済成長からバブルの時代と経済的にも豊かであったからこそ、市場は自らの健康に目を向けはじめ、結果的に中高齢層を中心として、自費治療の台頭へと繋がったと思います。

そして、1995年頃を境に、巧みなパブリシィテー戦略 (雑誌やテレビ等の媒体と連動、提携した啓蒙活動) により、クイックマッサージ、リフレクソロジー、アロマセラピーなどの若年女性層をターゲットとした手技の流行が始まりました。

この時代、多くの手技療法の国家資格者は苦々しい思いで、これらの無資格者による施術の流行を睨んでいたものと思います。そして、これらのトレンド (流行) は一般の人々にとってライフスタイル (生活に定着したもの) となって現在に至っています。
つまり、無資格者が手技療法界において、新たなマーケットを独自で開発したのです。その結果、リラクゼーション系、慰安系の施術を商品としたリラクゼーションスポットが特に都市部に目立ってきたのみならず、ほとんどのデパートや駅ビル、大型のショッピングセンター等で多くの利用者を集めることになったのです。

中にはフランチャイズなどで多店舗展開を行っているところさえ存在します。そして、昨今では、これらのリラクゼーション系の技術を取り入れ成功している接骨院も、数多く見られるようになりました。

さらにこれらの接骨院においては、自費でのリラクゼーション系のメニューを主体とし、その付属として柔整の保険による施術業務が付加されているという、今までとはまったく正反対のパターンも多く見られています。

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