自治体に独自審査委員会設置の機運

自浄作用が目的―東京・足立区の審査委員会
最近では “患者照会″ が全国的に共通して行われています。東京23区は、連絡会議を持ちながら、療養費削減に取り組んでいます。

とくに東京・足立区では、市町村単位としては全国のさきがけとなる「柔道整復療養費案件調査委員会」を発足させました。これは診療報酬でいう「保険審査委員会」にあたるもので、これまで柔整療養費にはありませんでした。柔整療養費の増加に伴いメスが入れられたのです。

足立区の国保における平成17年度における柔道整復療養費は月あたり9000万円ほどになり、柔整療養費の適正化に努めています。調査委員会設置前の平成15年度の足立区の同療養費が年間12億3300万円であったことから見れば、月あたり1000万からの効果が見られたということになります。

調査委員会は、区長の附属機関として、無免許診療や水増し請求などの不正請求を防ぎ柔道整復療養費の支給の適正化を図るため、毎月1回、区長の諮問に応じて疑義のある支給申請書の調査審議などを行っています。
委員会の報告をもとに、必要に応じて受診した患者へ施術の事実確認なども行っています。

足立区では、従来診療報酬については8名の医師(うち1名が歯科医師)による審査委員会がありました。このような審査委員会が「柔整にも必要」だとの背景には、近年柔整の不正請求が年間で2件ぐらい出るようになったことがあります。
審査委員会の設置を足立区こくほ年金課にお聞きしました。

「はじめは社団法人との定期的な協議の場を持ちました。協議後、委員会設置にいたったのです。柔整業界の問題意識と我々の意識が同じ方向に働いた結果だと思います。医療は区民のためという熱い想いもありました。
不正請求をする人は多くいるわけではありませんから、審査会を継続していけば、『足立区の審査も厳しくなった。不正請求はやめよう』という自浄作用も出てくるのではないかと思います。」(足立区こくほ年金課)と期待されています。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!