「ここまでなら請求できる」 はもう通用しない 【後編】

担当者 「この方は記憶にありますか。7日間来ていることになっていますが、患者さんは3日間だと言ってます。なぜ覚えているかというと来院時に大学ノートに記載した記憶があると言ってます。先生、先ほど来院簿はないと言ったじゃないですか。さっきの答えは嘘ですか、本当に来院簿はないんですか」

柔整師 「来院簿は、その日のうちに破棄してます」

担当者 「正直に言ったほうが良いですよ先生。この患者さんは残りの4日間は出張中で来院は物理的に無理ですよ。先生はこうして7回と書いてる。来ていないのになぜカルテにあるのですか」

柔整師 「間違いでした」

担当者 「どうして聞違えるんですか。仮に入力ミスとしたら回数が入力ミスで増えたと事前に訂正できるのではないですか。先生、心に隙間があってちょっと足しちゃったんじゃないですか」

柔整師 「勘違いして書き間違えたんです」

担当者 「何人ぐらい間違えたのですか」

柔整師 「……」

担当者 「間違ったというよりは、分かっていてやっているんじゃないですか。それに12月は30日、31日以外お休みはないのですか」

柔整師 「……」

担当者 「まして、患者さんから聞いている範囲では、施術する先生がその日ごとに違うと言っていますが柔道整復師は先生だけですよね。電気あてるだけ、マッサージ感覚できている患者さんも保険請求していませんか」

柔整師 「していません」

担当者 「先生、他にも情報があるんですよ。こちらには」

柔整師 「……」

担当者 「25日間来ている人は本当に来ているのですか。先生が指示してませんか。それとも付け足しているのですか。」

柔整師 「……」

担当者 「負傷原因など作っておられませんか」

柔整師 「……」

担当者 「先生、改ざんしてらっしゃいますね。正直なところ、指導ではなくそれ以上になっていますので昨年1年間の自主点検をして下さい。したがって今日の指導はいったん中止し、指導から監査に変更します。

1カ月の猶予を与えますから保険者別、被保険者名別、受診者別、月別、本当の施術内容と虚偽内容を一覧にして提出してください。返還請求の材料とさせていただきます。そしてそれを見て今後の検討材料とします。本日はご苦労様でした」

◇   ◇   ◇

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