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不正請求の実態
不正請求の手口 そして指導へ
不正請求体験談 第三回
独立して栄光を勝ち取った先生も、幸せな時期は長く続きませんでした。高騰する人件費や、規模を大きくした事による煩雑さなどから、再び不正請求に手を染めてしまったのです。

経験者が語る不正請求体験談

前回に引き続き、過去に不正請求を行ってしまった、ある先生の体験談をご紹介します。なお先生のプライバシーの関係上、実際の事実とは異なる表現が一部用いられている事をご了承ください。

独立して栄光を勝ち取った先生も、幸せな時期は長く続きませんでした。高騰する人件費や、規模を大きくした事による煩雑さなどから、再び不正請求に手を染めてしまったのです。

病名たらい回し

落ち込んでいく売上をどうにか維持しようと、先生が最初に行ったのが「病名のたらい回し」だった。

「なかなか治らないで、ずっと通っている患者さんがいるわけです。正直なところ、こういった患者さんがいてくれる事は院の経営としては助かる部分が大きいのです。治療家としては悔しい事ではあるのですが、この時の私は完全に経営の事しか考えていませんでした。

しかし、こういった患者さんがいてくれても、治療期間が5ヶ月を超えると逓減になりますよね?そこで5ヶ月毎に病名や回数を変えて請求を出すのです。これが病名のたらい回しですね。誰に教わったわけでもなく、こうした不正を行っていました。後になって、不正請求の初歩的な手口だったと知りました。でも、その当時は罪悪感を感じながらも、『もうこうするしかない!』の一点でした」

濃厚請求

病名のたらい回しと合わせて先生が行っていた不正の手法として、濃厚請求があった。

「院の経営が傾く時には、得てして患者さんの来院頻度にバラつきが出てくるものなのですが、私の時もやはりそうでした。

そうなるとあまり来てくれない患者さんをどうにかしたくなる。今ならば、自由診療を導入するなり、効果的な宣伝活動を行うなりのノウハウも知りましたが、その当時はもう何も考えられませんでした。というよりも、資金繰りに困っていたのですから、もうなりふり構っていられないという気持ちで、真っ当な院経営を投げ出していたのです。思い出す度に気分が悪くなります。

そんな中で、1ヶ月の来院日数が多い患者さんの分を、あまり来ていない他の患者さんに上乗せして平均化する方法を思いつきました。上乗せさせられた患者さんからすれば、例えば10日しか来院していないのに、15日も来たようになってしまうわけです。これは厳密には「架空請求」ではなく、「濃厚請求」と呼ばれるそうです。これも後にスタンダードな不正請求手法だと聞かされました。『どうせ患者さんも細かい日数は覚えてないから平気だろう』。そんな馬鹿な事を真剣に思っていたのです」

そしてついに、先生へ調査の手が伸びる。

社保からの問い合わせ

「不正請求で何とか院を成り立たせる生活にも慣れてきてしまいました。もうそれが当然のように思い始めた頃でした。スタッフを集めての定例ミーティングで、こんな話題が出たのです。

『最近、やたらと社保からの問い合わせが多くなっている』

以前では何の問題も無かったような事まで、電話で問い合わせが来るようになったのです。私は定期的に社保が『院の引き締め』のために、何かポーズを取っているだけだろうと高をくくっていました。

ただ、こうも思ったのです。幸いにもこの時、院は最悪の時期を終えて、不正を行っているとはいえ、経営は上向き始めていました。この機を逃さずに、みんなに土下座してでもお金を用立ててもらって、真っ当な院に戻すべきなのではないか?と。いつまでも不正を行っていれば、いつか発覚するんじゃないのか?だったら発覚していない今の内が、やり直しをする最後のチャンスなんじゃないかと。
深夜まで寝付けず考え続けましたが、『よし!そうしよう!』とまでは決断できなかったのです。もう私はあの目先の資金繰りができない恐怖感は味わいたくなかったのです。

翌る日の事です。施術を終えた患者さんからこう言われました。

『この間、関東信越厚生局だかなんとかって所から、先生の事聞かれたよ。いつ院に行ったのか?とか、どんな施術を受けたのか?とか色々聞かれたんだけど、あれなんだったんだろうねぇ?』

目の前が真っ暗になりました。もう息ができなくなりました。直感でわかりました。

『もうお終いなんだ。発覚したんだ』

何故か患者さんの言葉を聞いた途端にそう思ったのです。私はすぐに院を抜けだし、今からどうにか対策できないかと自宅に籠もって作業を始めることにしました。

…無理な話でした。積み上げられたレセプトや施術録を見て呆然としました。そこには私の罪が凝縮されていたのです。辻褄なんて合わせられやしない。もう何もする気力も起きませんでした。

そして数日後、予想通り個人指導への呼び出しが来たのです」

何だその態度はっ!

「個人指導へ向かう時、実は心の隅で『まだ指導だ。監査じゃない。大丈夫だ』と自分に言い聞かせていました。もう祈りといった感じです。

指導の部屋に通されると、昔指導された時とは違って、広めの会議室に通されました。他の部屋が空いてなかったのかと思いました。私は広い部屋の真ん中で、居心地の悪さを感じながら、担当者の到着を待っていました。

しばらくすると、男性が3人ほど入室して来ました。『3人もいるのか…』と、私は妙な感心をしていました。しかし、さらにそこから10人ほどが入室して来たのです。私は身体が震えるのがわかりました。

『おいおい。まさか俺の指導のためにこんな人数が必要なのか?俺の事はこんなにも大事になっているのか?』

もちろん答えは目の前の状況が指し示していました。まず始めに、私の目の前を陣取った男が口を開きました。男は厚労省の主任クラスの肩書きでした。

『今日は徹底的にお話を聞かせてもらいますよ』

私は身体の震えを誤魔化すように、

『私のためにこんな人数を集めてもらってしまって。なんだか取り調べでもされるような気持ちですよ』

などと軽口を叩きました。もう口から勝手に流れ出た感じです。この状況が怖くて仕方なかったのです。

私の軽口を聞いた厚労省の男は目の前の机を強く叩きました。

『何だその態度はっ!君は自分の立場がわかっているのか!?よくもそんな事が言えるな!』

自分が怒鳴られたという事がしばらく理解できませんでした。そこで始めて私は、自分の行ってきた不正請求が大きな事件になっていることを知ったのです」


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