月次収支のつけ方、見方【会計教室4】

発生ベースへの調整

実際の仕事に対して入金が遅れることがあります。保険請求売上、自賠責売上などです。このような場合、会計上・税務上の売上はこの仕事をした月に入金がなくても計上するルールになっています。

ここでは例として今月の保険請求売上が9 5 0 千円、自賠責請求売上が200千円だったとすると月次収支表の売上調整のところでこれを加算し、売上収入に計上した当月の保険入金700千円、自賠責入金150千円をマイナスします。
これは今月治療したものではないからです。今月の現金収支マイナス100千円にこれらを加算減算すると会計上の利益がでてきます。会計上の利益は200千円のプラスでした。

個人事業の場合はこの利益200千円に事業主報酬500千円を加算した700千円に対して所得税、住民税が課税されます。
法人の場合はこの利益200千円に対して法人税等が、事業主報酬500千円に対して所得税、住民税が課税されます。

このように税務上は現金収支ではなくて会計上の利益に対して課税されてしまいます。例示は月間ですが年間で現金収支が赤字でも会計上の利益が黒字だと課税され現金がないのに納税しなければならないのです。
接骨院では保険請求を行い入金があるまでの期間が長いのでこの問題が実際に生ずるのです。保険請求し入金までの期間が6カ月だとすると常に6カ月分納税が入金に先行して生ずるのです。

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